小説
□ぬいぐるみ
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シャオランがさくらから、思いを告げられ、香港に帰ったところから、物語は始まります。
香港に帰ってきたシャオランは一点を見つめていた。
そう、さくらからもらったくまのぬいぐるみである。
「さくら・・」
本当は帰りたくなかった。だか、手続きや、クロウカードのことは母上に報告に帰らなけばならなかったのだ。
「きっと、アイツさみしがってるだろうな。」
そう思うと胸がギュッと、締め付けられた気がした。
「ぬいぐるみ、急いで作ったのかな?」
所々、糸が出ている。
シャオランはクスッ!っと笑うと、ぬいぐるみを胸に抱えた。
会いたい。
どうしようもなく会いたい。
せっかく思いが伝わったと思ったのに、すぐに離れなくてはならなかった。
下に目をやる。
くまだ。
そう、さくらとぬいぐるみで、つながっていると思うだけで嬉しい。
さくらも同じこと思ってるだろうか。
ムクッ!
ガサガサ。
シャオランはさくらに手紙を送るべく、便せんを探しはじめた。