NOVEL
□月光の中の森のクマさん
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ある日森の中でクマさんに出会った
それを森の中で見つけた時、私は神に感謝しました
私たちはつらい思いをしてきました
だからきっとこれはそんな私たちへの贈り物
これを見たら、あの人…ライルはどう思うかしら
彼のことだから嬉しすぎて泣いちゃうかもしれない
早く、ハヤク、家に帰ろう
それにしても、今夜は月がとっても綺麗ね
こんな日には恐いクマが現れる
早く、ハヤク、家に帰ろう…
花咲く森の道を私は駆け抜けた
腕には贈り物を抱えて
これがあればきっと私たちは幸せにはず
この幸せは絶対誰にも渡したくない
でも、後ろから私を追いかける音が聞こえてきました
ク マ が 来 た
私は本当はわかっていました
この贈り物はあのクマの宝物
絶対私を追いかけてくる
でも私はこの贈り物が欲しい
この幸せが欲しい
だから、赦してっっ!!
私は走った
贈り物を抱えて走った
ただただ走った
走って走って走りぬいた
月明かりしかない暗い森の道で黒い影が私を追いかけてくる
もう、正しい道は見失ってしまった
それでも走った
走った
ハシッタ
はしった
何時しか私は視界がにじんでいるのに気付きました
私は泣いていました
私を追いかけるクマも泣いていました
贈り物も泣いていました
オ イ ツ カ レ ル
”バタン!!”
私はドアを閉めて息を吐きました
やっと家に帰れた……
「アニュー、お帰り」
そう言って奥の部屋から出てきたライルは笑っていたのに
私が抱えた贈り物を見ると悲しそうな顔をしました
なぜ……?
「アニュー、俺たちの子供はもうこの世にはいないんだ。
その子は本当のお母さんの所に返してあげよう」
視線を下ろすと私は桃色の髪をした赤ちゃんを抱いていました
たとえもし、真実が、現実というキバとツメで私を引き裂いたとしても
どうしても、私はこの温かくて優しいこの幸せが欲しかった……
神よ、私は許されない罪をを犯しました
今ならまだ大丈夫だとライルは言ってくれた
でも……
「無理よ!!だって、もう……」
あのクマ(女の人)は、………――――――
家の外には1人の女が横たわっていた
色素の抜けた金髪は赤く染まり、
もう、事切れていた
その傍らにはミルクで満ちた小さなガラス瓶が転がっていた………
月光の中の森のクマさん
(月夜の森の中)(そこは悲劇と狂気の巣窟)
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