NOVEL

□HAPPY BIRTHDAY H.M
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「ハル、これお前にやる。」

そう言ってハルが獄寺から渡されたのは、真っ白な霞み草の花束だった。


「少し早い…ですね…。」

腕時計を見るとハルは言った。
今ハルは獄寺の部屋の前にいる。
なぜなら獄寺に呼ばれたからだ。
昼に渡された霞み草の花束にメッセージカードが付いていた。

いつもなら直接言うはずの獄寺が
わざわざカードに書くのには少し疑問があったが、
聞こうとした時にはもう行ってしまってたし、
いわゆる恋人という関係になってからは
呼ばれることなんて何度もあったのであまり考えない事にした。

カードに書かれている約束の時間は12時。
そして今の時間は11時50分…

微妙に早い。
でも時間をつぶすには短すぎる時間だ。
どうしようかと考得ようとした時

「何やってんだ。お前」
目の前のドアが開き獄寺がそこに立っていた。

「獄寺さん!?」

驚きながらもハルは
「なんで、わかって…」
っと言った。
獄寺はそれに呆れたように

「なんでってドアの前までこられりゃ気配でわかる。」

そうだった
獄寺はこれでもイタリアのマフィアの幹部の1人なのだ。
気配を読むなんてぞうさもないことだろう…

「とりあえず部屋に入れ」

ハルはその言葉で部屋に入ると獄寺にうながされソファーに座った。

とりあえずなんで呼んだのか聞こうとした時

「誕生日、おめでとう」

獄寺のそんな言葉が聞こえた。

「はひっ!?今日、誕生日でしたか?」

「あぁ…ついさっきな。」

そう言われて時計を見ると12時を過ぎていて、
日付が変わったことを知らせていた。

「じゃあハルを呼んだのは…」

「1番最初に祝おうと思っちゃダメかよっ!!」

その言葉を聞いてハルは笑顔になると
「そんなことありません!!」
っと幸せそうに言った。

HAPPY BIRTHDAY!!
 HARU MIURA



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