GET

□〜〜空を見上げた〜〜
1ページ/2ページ






ある西の国で、


その夜、


盛大な、盛大過ぎるパーティーが行われた。




そのパーティーは、とある巨大な組織のボスの、伝統ある引き継ぎのパーティーだった。






だが、そのパーティーの主役…《十代目:沢田 綱吉》は、引き継ぎの儀式が終わると、人目に付かないようにこっそりと、パーティーを抜け出した。















〜〜空を見上げた〜〜












パーティーもいよいよ終盤で、ワルツの曲もアップテンポの曲が流れ始める。


そんな頃…、今日主役の筈のアイツは、ヘタレながらも気配を消して、こっそりとパーティーを抜け出した。



「(………何やってんだ?、アイツ)」



俺は疑問に思いながらも、アイツ…ツナが出ていった方を盗み見る。

そこにはベランダが有った。


…確かあのベランダには、中庭に繋がる階段があるはずだ。


「(中庭に行ったのか…?)」


俺はこの約七年間で、アイツの性格を知り尽くした、と思う。



「(大方、媚びてくるゲス共に嫌気が指したんだろうな。)」


俺はそう考えながら、色んな女性からのダンスの誘いを断って、ツナの居るであろう中庭に向かった。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



林と言うには木が多いが、森と言うには木が少ない…、
そんな中庭の池の畔にアイツはいた。

夜空に輝く三日月を映して同じように輝く池の水面を、澄んだ琥珀の瞳で見つめるその様子は、
さながら一枚の絵のようだった。




「ツナ」




名前を呼ばれて振り返るツナ。

その琥珀の瞳に動揺は無い。


……超直感か。





ススキ色の逆立った髪が、そよ風にさらさらと儚げに揺れた。


「……リボーン」

「…なんだ」



「………いや、なんでもない。」



ツナは、何かを言おうと口を開いて、途中で止めた。
俯いて琥珀の瞳を揺らす。

ダメツナめ。




「フン、どうせ何か卑屈な事でも考えてたんだろ?。」


俺の問いに、ツナは少し明後日の方向に視線をやっていたが、やがて俯いて小さな声で、「……うん」と頷いた。



「……俺…、俺みたいなヤツが、ボスでいいのかなって…。
こんな、俺みたいな何やらせてもダメな人間が。


俺みたいな人間がボンゴレを継いだら、いつか…《ゴッ》いっ…て〜〜!!。

な、何すんだよリボーン!!!。」

「ハッ、どっかとダメ人間があまりにもバカな事ほざいてるから天誅を下してやっただけだぞ」


そう言って俺はツナの頭から拳を退ける。

ちなみに、お見舞いしたのはチョップだ。



「七年前位にも言ったはずだぞ。
『お前は他の誰よりもボンゴレ十代目なんだ』ってな。」

「……うん。」



ツナは頷くと、今度は黙り込んだ。











そういえば



と、ふと自分の頭に疑問が過る。











『コイツは俺を恨んでいるのだろうか?』




陽の当たる、温かい明るい世界から、こんなドロドロと謀略の渦巻く闇の世界へ引きずり込んだ俺を。













「リボーン」



不意に、俺の思考をツナの声が遮った。





「リボーン…、俺は恨んでなんか無いよ?。
七年前、リボーンと会わなければ、多分今ここに俺は居ない。

……確かにこの闇の世界は嫌いだけれど。それでも……、


リボーンは俺の側に居てくれるでしょ?。」



「………愚問だな。」



教師は生徒を見捨てねぇもんだぞ、と加えながら帽子のツバを引いて目を隠す。

そんな事をしても、コイツには照れ隠しがばれるんだろうが……。





「ダメツナが……」



そう呟いて空を見上げる。

ツナも俺の視線を追うように空を見上げた。








   〜〜空を見上げた〜〜

(いっそこのまま時間なんて停まってしまえ、と思った。)










ぷちオマケ(?)。


獄「じゅ〜だいめぇ〜〜!」


ツ「あ、隼人が呼んでる。」

リ「パーティーを途中で抜けて来たからな。」

ツ「でももうちょっとここに居よう(黒爽)」

リ「(…御愁傷様だな、獄寺。)」


思わず獄寺に合掌。




――――




後書き(懺悔)。

スンマセン。
毎度スンマセン。
ごめんなさいorz。

う〜ん。超短いッス、SSデス。

返品可です。
気に入らなければ苦情書いて返品して下さい〜!。
(T_T)。

でわ失礼します。



感想→
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ