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□〜オモチャ〜
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〜オモチャ〜
貴方は僕だけの物です。
そう…
貴方のすべては僕の物。
決して誰にも渡しません。
たとえ…
どんな手を使ってでも…
ドゴッ!
「っ…!」
僕は、雲雀くんと一緒に黒曜中にいた。
大事な話があったから、僕は雲雀くんを動けないようにして、問い詰めた。
「どうして、貴方はあんなのと一緒にいたんですか?」
「…。」
バキッ!
「くっ…!!」
雲雀くんの顔が悲痛に歪んだ。
「おっと、骨が折れてしまったようですね。でも、貴方が悪いんです。…どうして。どうしてディーノなんかと一緒にいたんですか!」
ゴッ!
「っ…!」
どうして答えてくれないんですか?
雲雀くんのその行動にイライラしながらも…
僕は…
雲雀くんの骨を折るたび、嬉しくなる。
骨が折れる感触が手に伝わるたび、嬉しくなる。
あぁ僕は…
狂ってるんですね。
どうしようもないくらいに貴方が好きで、それゆえに狂ってしまうんです。
「むく…ろ。」
雲雀くんは悲痛に顔を歪めながら。でも、悲しそうな目で僕の名前を呼んだ。
「なんですか?」
「君は…勘違いをして…いる。ディーノは…ただの…家庭教師だ。」
本当は分かっていました。
僕はただ…
「僕はただ貴方を痛めつけたいだけなんです。貴方は僕のオモチャ。だから、壊したいって思うんです。」
そう…
バラバラにして…
動かなくしてしまいたい。
冷たく、動かないオモチャに。
「特別に…骸の…気がすむまで、僕は…君のオモチャに…なってあげる。…だけど、壊しちゃダメ…だよ。遊べなく…なる…から。」
貴方は、不思議な人です。
いつもは冷たいのに、こういう時には優しくなる。
ずるいです…
ほんと…
「骸?」
雲雀くんが心配そうに僕の顔を覗き込んできた。
そして、僕の頬に何か…
暖かい物が流れた…
「泣いて…るの?」
「…その…ようですね。…貴方がいけないんですよ?こんな時ばっかり、優しくなるんですから…」
「気のせいだよ。」
「…じゃあ、貴方の優しさに免じて、今回はここまでにしましょう。」
そう言って、雲雀くんを自由にしたのですが…
「…寝てしまいましたか。」
貴方は誰にも渡さない。
貴方の優しさも、何もかも。
だって、貴方は僕の…
オモチャだから…
end.
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