【や ら な い か】

□美少年と野獣
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名前/ユーヤ


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夜の公園内、時折道端の木や街灯に寄りかかり、呼吸を整えつつ又フラフラと歩いては遂にある建物の階段に座り込んでしまい。
肩で息をしながらもノロノロと振り返ると漸くそこが教会だと知り、這いながら数段の階段昇っては重い扉開いて閉める力もないまま中へ。
夜だけに照明の控えられた教会内、中に入ったところで這うのは相変わらずの罰当たりな人。席に座るのも既に体力がないのか、ほの明るい祭壇近くまで漸く進むと段差に凭れ掛かって。

「……お腹すいた…」


ポツリ呟いては息も絶え絶え、「…パトラッシュ、僕もう疲れたよ……」などと往年の名作アニメ最終回ごっこをしてみるものの、そんな事で空腹が癒える筈もなく大きな溜め息が漏れる。

「……くそ……親も友達も世間もニートに冷た過ぎる…。…なんだよ、…運が悪かっただけじゃん……俺のせいじゃない、…ことないよな、やぱ…」

口をつくのは文句や悔恨ばかり、次第喋るのも億劫なのかズルズルと段差からズレ、ついには祭壇前に寝そべってしまい。

「……はぁ、……マジ死んじゃう……俺…」


ポツリ呟いては血糖値下がってフラつく身体をどうする事も出来ず、ボンヤリと教会の床を眺めて。




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