小説
□輪廻の果てで
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「危ない 恭弥!!!!」
ズガンッー…
「骸…!」
☆輪廻の果てで☆
「…骸…?いやだよ……骸しっかりして!?」
僕は骸の手をキュッとにぎる。
でも、その手は少し冷たくて…
骸がもう永くもたないことを表している。
僕の手は骸から止まる事なく流れ落ちる鮮血により真っ赤だ。だけど、今はそんな事気にならない
「きょうや…」
「何?骸」
「どうか、、、、泣かないで、下さい。」
と言って血に濡れた手で僕の頬に、そっと手を添えた。
僕から流れ落ちた涙は骸の頬にポタポタと落ちる。
すると骸は
「きょうやの なみだは あた たかい、、、、、ですね……」
と苦しそうに言った。
気づくと、握りしめた手からは急速に体温が失われていった。
「きょう…や……
僕は、もう……あなたを…守ることができない…よう、です…」
「そんな…!いやだよ!骸! これからも、一緒に笑って、一緒に泣いて、一緒に…一緒に…!」
骸は フッ と悲しそうに笑って
「り、んねの、果てで…また、あいま…しょう…」
ズルッ
骸の腕から力がぬけた。
「む…くろ?ねぇ、骸!骸…むくろ!」
暖かかった腕はもう冷たく、骸の目が覚める事はもうない。
僕は、冷たくなった骸に暖かいキスを一つ落とした。
(あなたに名前を呼ばれる事は、もう無いけれど)(輪廻の果てで…また……)
080406 ☆end☆