学園

□節分で鬼を退治しますか?
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「んじゃ頂きま〜す」

「まて、方角はこっちだ」

「むう!此方で御座るか?」

「見ろよこれ小十郎の手作りなんだぜ?」

普段のようにワイワイと屋上で騒ぐ四人は一斉に皆同じ方向を向き恵方巻きを頬張り始める
今日は節分で、前日に発言した政宗の「屋上で豆まきをしようぜ」の一言でこの四人が今日集まったのだ
集まって早速三人が元親を鬼と勝手に見立て全力で豆をぶつけたのは言うまでもない
そして漸く一仕事終えヘトヘトになった元親が元就と自分用に作ってきた弁当、恵方巻きを取り出したところで「むおお!腹が減ったで御座るー!」と幸村が騒ぎ出した為、皆で一斉に弁当を食べることにした
幸村も佐助に恵方巻きを作って貰ったらしく、昼休みに屋上で皆が同じ方向を見て恵方巻きを頬張るという異様な光景になった

「ん…っしゃ俺一番〜」

走り回った為に空腹だった元親が一番最初にこの異様な集団の静かな空気を破る
恵方巻きを食べている間は喋ってはいけない、と言うのを皆律儀に守っていたのだが元親の一言に幸村は食べるペースを早めゲフゲフとむせてしまう

「おいおい幸村、落ち着いて食えっていつも佐助に言われてただろ?」

「むぅっ…しかし…」

何でもすぐに勝負したがるのが幸村の性分だと分かってはいるのだが、これだけ盛大にむせられては面倒見の良い元親が心配し注意しないワケがなかった
しかし次の政宗の発言に更に元就までがむせてしまうなど皆知るよしもない


 
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