学園

□恥ずかしくて言えないの
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「二人っていつから付き合ってんの?」

「中3から」

ニコニコと二人の間に割って入ってきた慶次に此方も笑顔で即答した元親の頬を元就は遠慮なく殴った
あの細腕からどうしたらそんな力が出るのか、殴られた元親はその場に倒れ悶えている

「あの時に付き合ってたの?それは気がつかなかったなぁ!」

悶える元親は「照れ隠しかよぉ」と呟くもあっさり無視されてしまい再び慶次は話を始める

「あの時?勘違いをするでないぞ前田、中3と言えど卒業式の前日だ」

「えっそうなの?元親のことだからもっと早くにコクったもんだとと思ってたんだけど」

元親と元就は幼馴染みで常に一緒に居て仲が良かったのだが、それが先に恋愛感情に変わったのは元親の方らしい
それは近くで見ていた慶次や政宗達を含め皆がそれを知っていたがまさかそれ程までに遅いとは思っていなかった

「…元親は…」

「元就が好きだからこそ言うに言えなかったんだよ」

「あ、聞いてたの?元親」
 
フイと顔をそらし言いづらそうに口を開いた元就の言葉を遮り起き上がった元親が代わりに理由を述べ慶次に目を向ける
それによって再び頬に鉄拳を受けたのはあえて気にしないことにする

「コクってOK出してくれるような奴なら俺だってすぐにコクってたさ。でも相手は元就だぜ?俺のことをどう思ってるのかも分からねぇでコクっちまえば元就だって嫌な思いするし、俺だって顔合わせ難くなんだろ?」

「ふぅん、意外と相手のこと考えてたんだ」

「意外とってなんだよ」

慶次の素直な反応に苦笑いを浮かべる元親から目をそらし、最も気になる所を聞くべく目標に視線を向ける
目標の人物は気付いたらしく眉を寄せつつ頬を染めた

「……そう聞いた時は驚いた。今まで友人として接してきたこ奴がそのようなことを考えていたとは…」

「でも返事はその日にくれたじゃねぇか。少なからずも俺に好意を持ってくれてたんだってのが分かってスゲェ嬉しかったの覚えてるぜ?」

「ば、馬鹿を言え!あのように真っ直ぐな目で見られては断れる筈がなかろう!……我も…嬉しかったのだ…」
 
「!!ああもう元就っ!すっげぇ可愛い!大好きだ愛してるっ!」

「なっ…!?離れろバカチカ!」

「嫌だね、放さねぇからな〜?」

「〜〜〜っ!」


「あ〜あ、ホントに熱々だねぇ二人は!やっぱ恋って良いよなぁ」

元就と元親が二人の世界に入ってしまい忘れられてしまった慶次は生徒会室を抜け出していた
気遣いなのかドアノブには『使用中』の札が丁寧にかけられていたらしい


END
 
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