学園

□穏やかな教室
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昼休みが終わり5時間目の授業が始まった
暖かい教室に昼食で満たされた胃袋、そして教員によって繰り広げられるつまらない授業
何人もの生徒が睡魔の誘惑に負け机に頭を引き寄せられていく

「……貴様もか」

睡魔に屈する事もなく黒板に書かれていく数式をノートに書き写している元就の周りには、体を起こし黒板を見ている生徒は殆んどいなかった
そしてその中には当然の如くこの男も混ざっている

「元親、貴様は次のテストでまた赤点を取る気なのか」

隣で安らかな寝息を立て眠っている元親に話しかけるが眠ってしまってからかなり時間が経っていたのだろう
起きる気配は全く感じられない
間抜けな顔だ、と内心呆れながらもその寝顔から視線が動かせない
それを己も分かっているから悔しくて仕方がない

「後でノートを見せろと言い寄って来ても我は知らぬぞ」

ふと滅多に見せない微笑みを向けてやれば漸く視線は黒板へと向けられノートに続きが書き足されていく

「…ヤベェすげぇ可愛い」

この時元親が己だけに向けられた笑顔にニヤけていたのを元就は知らない


END
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