長編小説

□破滅の予言者
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「どう?プリンプのこと分かってきた?」
「うん!アミティとシグのおかげで、だいたい分かってきたよ♪」
「よかった」

だいたいの場所を回り、リースに案内が終わったところ。
3人はアミティの家へ向かっている途中だった。

「家に帰ったら、リースがいた世界のこと、詳しくおしえてくれる?」
「OK〜、分かったよ!もっとおしえてあげるね!」
「・・・」

その時、シグがいきなり立ち止まった。

「シグどうしたの??」
「?」
「あれ・・・、見て」

シグは空を指差した。

「空がどうしたの?」
「ほらっ、よく見て!」

アミティとリースはよく見てみた。
何も変わらない夜空。
違っているところと言えば、さっきより暗くなったということだけだった。

だがそこには、夜空にまぎれてあるものがあった。

「あっ!あれって、僕が出てきた『時空のブラックホール』!!!」
「本当だ!リースが出てきたホールだ!」

辺りが暗いのでよく見えないが、確かにあの、『時空のブラックホール』が
そこにあったのだ。

「どうしてまたあれが?!」
「どうしてだろー」

するとあの時と同じように、少し大きくなった。
そしてまたあの時と同じ、眩い光が辺りを包んだ。

「きゃあぁぁ!!」

         ドスン!!

本当にリースが出てきたときと同じようなことが起きた。
出てきた人をよく見ると、とてもシンプルな服を着ていて、
蝶の形のリボンをしている。
今度は少女が出てきたのだ。

「わー、また誰か出てきたー」
「だ、大丈夫?」
「っ!・・・う、ウソだよね?」
「イタタ・・・、あれ?ここって・・・」

出てきた少女は、どことなくリースと共通点があった。
一つ目は似た服を着ていること。
二つ目は左目が深い緑色をしていることだった。

「あの〜、大丈夫ですか?」
「う、うん一応私は大丈夫よ」
「ひっ!ま、マズイよ〜・・・」
「リース、どういうことー?」

少女はゆっくりと立ち上がった。

「り、リースですって!」
「あわわ!!!」

何故かリースは、とても慌てている。
そしてどこからか武器となるヨーヨー出して、手に持っていた。

「リース!逃げようとしてもムダよ!」

少女は一枚のカードをポケットから取り出した。

「『吊られた男』よ!彼を捕らえよ!」

そう言った瞬間、カードから木のツルのようなものが
たくさん出てきて、リースを襲った。

「うわぁぁぁ!」
「「リース!!」」

アミティとシグはリースを助けようとしたが、
ツルが先にリースを捕らえてしまった。

「いきなり僕を攻撃するなんて、ひどいじゃないか〜!」
「リースが逃げようとするからでしょ!」

アミティとシグは少し戸惑った。
『時空のブラックホール』から出てきた少女はリースのことを知っていて、
リースも少女のことを知っている。
それに何故かリースは少女を見るなり大慌てで逃げようとし、
少女もいきなり魔導か何かでリースを捕まえてしまったからだ。

「あ、頭に血が上るよ〜。お願いだから、おろして〜!」

リースはツルに捕まり、宙ぶらりんの状態だった。

「だっていきなりココに出てきたから、ちょっと驚いただけだよ〜。
 だからおろしてよ姉さん!」
「「ね、姉さん!!!!!」」

リースの発言にアミティとシグは驚いた。

「ったく・・・、仕方が無いわね。」

そう言ってカードを高く上に上げた。
するとツルがそのカードに吸い込まれていったのだ。

「えっ、ど、どういうことなの?」
「ごめん、申し遅れたわね。私はチイラ。
 リースの姉よ。キミたちの名前は?」
「私はアミティです」
「僕シグ〜」
「フフフ、分かったわ。これからよろしくね!」
「だけどどうして姉さんまでココに来たの?」
「どうしてって言われても、リースが急にいなくなったから、
 どこにいるか占ってみたのよ。そしたら・・・、あれ?
 そのあとの記憶がないなぁ〜」
「リースと同じだ!」

アミティはハッとした。
リースもここに来た記憶がないと言っていた。
そして今度現れたのは、リースの姉のチイラ。
同じ世界から2人も今日来たのだ。

「それに何か嫌な感じがするわ」
「どういうこと?」
「・・・何でもないわ」

どこか悲しいような表情を浮かべていた。

「姉さんはこれからどうするの?」
「そうねぇ〜、ここのことも分からないし、どうしよう・・・」
「なら私の家に来てください!」
「えっ!」
「リースも家でしばらく過ごすんです。
 だからチイラさんもどうぞ!」
「いいの?」
「もちろん!人が増えれば楽しくなるしね!」

そうしてチイラもアミティの家に行くことにした。






予言者と破壊者
この二つの歯車が動き出す・・・






















































あとがき

オリキャラのチイラも小説に参加!
ちなみに小説内で使っていた魔導らしきものは、
タロットカードの『吊られた男』を召喚したんですよ。
詳しくは『オリキャラについて』にありますよ♪
 

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