短編小説

□行方不明の黒魔導師(1)
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―やっと・・・街に着いた・・・。
  だがいったい何処の街なんだ・・・。
   うっ・・もう意識がもてない・・・。
    力が・・限界だ・・・・・・・―








「ねえ、この人誰?」

ふれあい広場で遊び、帰る途中のアルル、シグ、そしてアミティ。
シグが道の真ん中で倒れている人を発見した。

「服がボロボロ・・・、いったいどうしたんだろう?」
「それに何かものすごくぐったりしている・・・」

3人はそ〜っと近づいて、その青年を見た。

「アルル、アミティ、この人知ってる??」
「ううん、見たこと無いよ」
「でも・・・誰かに似てない??」

アミティは自分の記憶の中で、何か引っかかった。

「え〜、誰に?」
「ううー、よく分からないけど・・・何か引っかかるんだよ〜」

頭を抱え、アミティは考え始めた。

「それよりどうする?放っておくわけには行かないよね〜」

アルルがそう言い、シグも考え始めた。

「じゃあさ、学校に連れて行って、先生に聞いてみようよ」
「そうだね!それじゃあ行こうか」

そしてシグがその青年を背負い、横からアミティとアルルは支えた。

「それじゃあ、学校へGO!!」

そうして3人は学校へと向かっていった。







「よいしょ、やっと着いた〜」

運よく保健室の、外のドアが開いていたのでそこから入った。

「じゃあ私、先生呼んでくるね〜!」

そう言ってアミティは保健室を出た。
その間にシグとアルルは、その青年をベッドに寝かし、布団をかけた。

「あとは先生が来るまで待とうか」
「うん」

2人はその場で待っていた。




「おまたせー!」
「こんにちは、皆さん」

アミティとアコール先生が保健室にやっと来た。

「「先生!!」」

アルルとシグは立ち上がった。

「えっと・・・、この人がそうです」

アミティが青年を指差した。

「っ!!!・・・そうですか」

一瞬先生が何かに反応した。だが3人は気づくことも無かった。

「確かにかなり疲労が溜まっているようですね。」

そう言うなり先生は青年に手をかざし、何か詠唱し始めた。
すると服がたちまち元通りになり、顔色もよくなってきたのだ。

「先生すごーい」

気の抜けたシグの声がしたかと思うと、青年はハッと目を覚ました。

「な、ここは何処だ!」

いきなりのことだったので、アミティ、シグ、アルルは驚いた。

「ここはプリンプ魔導学校ですよ、ナイトさん
「キミ・・・、いや、アコール!!」
「「「えっ!!!」」」

また3人は驚いた。お互いのことを名前で呼び、
しかもかなり親しいような話し方だった。

「何故俺はここにいるんだ」
「ナイトさんが道で倒れていたところを、
アミティさん、シグさん、アルルさんがここへ連れてきてくれたのよ」

ニコリと先生は笑った。(黒いほうじゃないy「死にたいですか?(ニコリ」
あっ、いえ何でもありません!!

「キミ達、すまなかったな。わざわざ俺をここまで連れてきてくれて・・・」
「あっ、いえそんなこと無いですよww」

アミティは少し照れながらもそう返した。

「ですがナイトさん、よく無事でいられました」
「えっ、先生どういうこと???」
「実はナイトさん、3年前に行方不明だったんですよ。」
「「「ええっ!!!」」」

3人は驚きを隠せなかった。

「それってどういうことですか?」
「ああ、その事なのだが・・・」

そう言って3年前の話をし始めた。


今から3年前、ナイトは突然行方不明になった。
父と母はすでにこの世を去っていて、弟と2人暮らしだった。
そんなある晩、弟をおいてある大切な任務に行ったところ、行方不明になったのだ。
その後何日たっても帰ってくる気配も無く、
街では死んだというウワサまで流れ始めた。
だがまさかあの腕の立つ魔導師が死ぬはずは無いと、
あちこちの有名な魔導師達が捜索したが、結局は見つけることが出来なかった。
そしてナイトとアコール先生が知り合いなのは、行方不明になるもっと前、
任務の情報交換や、任務遂行をよくやっていたからだったのだ。


「どうですか。分かりましたか?」

ナイトの代わりにそう言った。

「でもどうしてプリンプに来たのー?」

シグがナイトに尋ねた。

「ああ、それは俺の故郷に帰ろうとしたのだが道に迷ってな。
 さすがに3年もたつと、道も変わるものだ。」

フーと息を吐いた。

「だけどどうして、行方不明になったの?」

次はアルルが質問した。

「それがよく覚えていないんだ。気がついたら全く知らない場所にいてな。
 情報を集めてみたら、別の世界だったんだ」
「「「別の世界!!!」」」
「そう、空間を越えた場所にいた。分かったときには正直驚いた。
 いつの間にか、自分の知らない世界に迷い込んでいたとはな」

少し笑いながらナイトは答えた。3人には何が可笑しいのかは分からなかったが。

「ですがどうして別の世界に行ってしまったのですか?」
「そこのところは覚えていないから分からない。
 だが一つ向こうの世界で分かったことは・・・ある」

少し重い空気が流れた。いったい何分たったのだろう。

「それは・・・・」
「「「そ、それは・・・・!」」」
「お菓子が無いという事だ」

ズテッ!その瞬間、アミティ、シグ、アルルの3人はずっこけた。

「お・・・お菓子が無いって・・・」
「う〜ん、さっきの緊張感は何だったんだろう・・・(汗」
「虫はいた〜??」

2人まとも(?)な答えをしたが、一人だけ少しずれている答えをした。

「あの、ナイトさん。これからいったいどうするのですか?」
「そうだね。まだ少し疲れているし、今日はプリンプで少し弟を探すことにするよ」

そう言うと、ナイトは出ていった。

「あっ、私もその・・・、弟さんを探します!!」
「ぼ、ボクも!ってほら!シグも!」
「うへ〜」

そうしてアミティとアルル、シグは(アルルに引っ張られながら)出ていった。

「フフフ、皆さん気をつけてくださいね」

こうしてナイトの弟探しが始まった。







































あとがき

えっと、オリキャラのナイト登場です。
多分あと2、3話ぐらい続きます。
えっ??それなら長編小説だろって?
あっ、ちょっと面倒なので短編にしておきます(死ねよ
次のUPもがんばります!
 

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