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□糖分
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「・・・・・・・・・・・」

灰色、どんより、寒い、冷たい

「・・・・・雨だな」

「あ、はは・・・」

イタリアは雨が降っていた。

「うわー、傘もって無いのな」

「ふん、これだから耳たぶは・・・十代目っ!これをお使いください」

そう差し出されたのは一つの折り畳み傘

「あ、獄寺君・・・そんなに気をつかわないで・・・」

「そんなことありませんっ!この獄寺隼人、十代目のためなら・・・「ほれ、傘」

獄寺の話の途中にリボーンが傘を持って帰ってきた

「ぁ・・・」

「ん?どうした?」

「・・・・・なんでもないよ。」

獄寺はというと、さも気にしていなさそうだが・・・

「・・・・ふぅ・・・」

これも一つツナの不安材料にしかならないのであった。

「ぁ・・・ご、獄寺君、傘・・・獄寺君の使わせてもらえるかな?」

いくらこれから自分の下につきいろいろ命令するかもしれないといっても

つい昨日まで友人、親友だったのだ。

そんな思いの葛藤からかどうもツナはこのところ不安症に悩まされている

だからこそ自分でもその不安をなくそうと回っているわけなのだが・・・

「いえいえっ!こんな傘よりそちらの傘のほうが・・・」

こうやって何も知らない守護者はいつものように返事を返すわけだが・・・

それすらも不安なのだ

「ぇ、えっと・・・じゃぁさ、歩こうか。」

一歩

初めてのイタリア

「自分、ここで・・・」

胸に重りをのせているような苦しい気分

「・・・・バカツナ、気負うな、お前を育てたのは誰だ?」

コツンと頭を、だが彼にしては優しく叩き小声で耳元で囁く最強のヒットマンで私の家庭教師

普段ならさもきにしないような言葉も今では心の支えなのかもしれない・・・。

「ぅ、うん・・・」

彼がいてくれてよかったと、今心より思った。
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