妄想綴り

□小ネタ1
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ボス就任パーティー後、ツナの自室で二人きり。これがきっと「さよなら」と言える最後のチャンスだ。

「ツナ、ボス就任パーティーおめでとう。よく頑張ったな。」
初めてのほめ言葉に一瞬驚いた顔をしたがすぐに微笑んで
「何かリボーンにほめられるのって変なカンジ。でもありがとう。」
と言う。出会った頃から変わらないこの優しさに何度救われただろう。
「・・・これで、もう俺がいなくても十分やっていけるな。」
「・・・え?リボーン、何言ってるんだ。」
ひとクセもふたクセもあるが優秀な部下達。そしてボンゴレボスと言う絶対的な地位。俺が居る必要はないだろう?
「俺は、フリーのヒットマンに戻る。」
「なっ・・・そんな、いきなり。」
「いきなりじゃねぇぞ。前から決めていたんだ。」
その優しさを手離せなくなる前に去ると。
「・・・何で?」
「俺がお前に教えられることはもう無いからな。」
「嘘だろ?本当に出て行きたいのなら真実を言えよ。」
やっぱりお前の超直感の前では建前なんてお見通しだな。
「本当の事言ってからじゃないとフリーに戻るなんて同意しない。」
「俺はお前のそばにいちゃいけない人間だ。青く澄んだ空に黒は似合わない。」
初めて得た優位角場所だからこそ、汚したくない。
「・・・ねぇリボーン。ここから、俺から離れたいのはお前の本心?」
「当たり前だぞ。そう言ってるじゃねぇか。」
「じゃあ、何でお前はそんな苦しそうな顔してんの?」
「っ・・・それは・・・。」
お前の笑顔が見れなくなるのが辛い。お前の優しさを失うのが辛い。でも、それより・・・いつかお前を汚すのが怖い。
「リボーン前に言ったよね?俺は誰よりもボンゴレで俺の意思はボンゴレの意思だって。」
「・・・ああ。」
「だったらここに居てよリボーン。ボンゴレはお前の居場所なんだから。他の誰でもなく俺がリボーンに居てもらいたいんだ。」
何でお前はいつも俺の欲しているモノをくれる?
「俺はお前の帰りを待ってるよ。どこへ行ったって。ずっとずっと待ってるんだから。出て行きたくないならここに居ていいんだよ。」
血に染まり呪われた俺を何故お前は何の戸惑いもなく抱き締めてくれる?
「っツナ、ツナ・・・俺を一人にするな。」
「解ってるよ。一人になんてしない、だからどこにも行かないで。」
涙なんて流れはしないけど、本当ずっと苦しかったんだ。どこに行っても忌み嫌われる自分が。一人で居ることが。
いつかお前にも嫌われてしまうのならそうなる前に俺の方から離れようと思ったんだ。
それでもお前は俺を引き止めた。ここに居ても良いと言ってくれた。俺の苦しみに気付いてくれた。
汚れた俺を必要と言ってくれるなら精一杯の平和を与えよう。ありったけの知性で支えよう。
そして永遠の愛を授けよう。
 

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