妄想綴り

□アカシアの花咲く道でキスを
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ある月明かりの差す部屋で少年が目を覚ました。
少年は側にいる赤ん坊に気付かれぬよう着替え部屋から出た。
家から出ると少し肌寒い風が吹いていた。
そして少年は静かに呟いた。
「今、会いに行くからね。ザンザス…。」
その声は闇夜に静かに消えていった。




この少年は名は沢田綱吉、ツナと普段呼ばれている。
今はリング争奪戦を行っている。しかし、綱吉は今、本来敵であるはずのザンザスに会いに行こうとしている。


綱吉はザンザスに早く会うために急いである場所に向かっていた。
(はぁ、はぁ。早く行かないと、ザンザスが待ってるかも)

そして綱吉はある場所に着いた。
そこには月の光に照らされた人が一人いた。
「ザンザス!ごめん、待った…?」
息を切らしながらも嬉しそうに言った。

「いや、全然大丈夫だ。お前とちゃんと会えたしな。」

「ザンザス〜〜!」
目の前にザンザスに向かって綱吉は勢いよく抱きついた。
「おいっ、いきなりどおした」
「えへへ…、俺もザンザスに早く会いたかったんだもん。つい嬉しくて!」


本来は敵どおしの二人の筈が今ここにいる二人はまるで恋人どうしのようだった―――。

「綱吉。だけど、本当にいいのか?お前のファミリーを騙すことになるんだぞ」
その言葉に綱吉は顔色を変えた。
「皆を騙してるのはわかってる。だけど俺はザンザスと一緒にいたいから…。そのためなら俺は何だって出来る。だからお願い、俺を…連れ去って。」
「…わかった。綱吉、お前がそう言うなら。俺と一緒に行こう。」その場には二人だけの空気が流れていた―――。
「ねぇ…、一つお願いがあるんだけどいい?」

「なんだ、言ってみろ」

「…誓いの証じゃないけど俺とキスしてして欲しいな…。駄目かな…?」
綱吉は顔を紅く染めながらお願いした。

「!!。いや、いいぞ…」
身長差のせいで上目遣いで見つめられたのと思いもよらない綱吉からのお願いにザンザスは少し驚いたたが微笑して返事をした。

そして二人の唇が触れた――。
実際の時間は短かったが、二人には長く感じられた。

道には月明かりに照らされたアカシアの花が風に揺れていた。
そして二人の唇が離れた。
二人は初めてあった時からお互い惹かれあっていたのだ。


「…明日の大空戦でお前を連れていく。それでいいな。」

「うん、わかったよ。それじゃあ、明日…」

綱吉は少し寂しそうに家へと帰って行った。
綱吉は自分の部屋に戻って来た。そしてまた眠りにつこうとした。しかしその時不意に声が聞こえた。
「おい、こんな時間に起きてどうした。」
その声の主は側で寝ていた赤ん坊、リボーンだった―――。

「…別になんでもないよ。ちょっとトイレに行きたくなってね」

「はっ、子供だな。明日は大事な日なんだぞ。早く寝ろ。」
「なっ、子供って、お前に言われたくないな!寝ればいいんだろう、寝れば!!」
「わかればいいんだぞ。」

(バカツナが…俺が気付いてないとでも思ってるのか。まさかとは思うがお前はそっちを選んだのか…。)


そして次の日、大空戦でザンザスはツナを連れ去った。

リボーンは全て気付いていた――。
しかし、リボーンはすべて黙ることにした。
ツナの幸せを願って。
リボーンもまたツナに魅了されていたのだ。


その後、二人は幸せに暮らしてるであろう――。
たとえ、それが周りを犠牲にした上の幸せであったとしても。



―――――――――――
あとがき
初小説がこんなのに…。
っていうかみんな別人だ…。
お題 DOGOD69 からお借りしました。
 

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