お題
□初めての秘密
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「(どどど、どうしよう……!)」
一人の少女は悩んでいた。
下忍である傍ら、本職に暗部の副隊長としてついている少女が。
それはもう今までないくらいに。
こんなにも考え込む彼女を誰一人として見たことはない。
彼女のただ一人の幼馴染みでさえも。
「(これから私、どうすればいいのよーーー!!)」
千夜が頭を抱えている原因は、まさにその幼馴染みにあった。
しかし彼が何かしたわけではない。
彼女が叫ばんばかりに動揺しているのは、先日俗に言うナンパから助けてもらった時に感じた動悸。
恐怖や動揺等でなく、淡い気持ちによるもの。
「(……ああ、本当にどうしよう。)」
一度取り乱した分、一息つけば落ち着くのは早い。
だからと言って解決したわけではないが。
それでも混乱したままより頭は働くからマシだ。
幸いにもナルトと任務を一緒にすることがないため、あれから会っていない。
表の方も班が違うので、暗部の任務で一緒になったりどちらかが会いに行かない限り会わないのである。
だからまだ大丈夫だが、あと数日もすれば暗部の任務で一緒になるだろう。
まだ話に出ていないが、千夜は確信している。
「普通にすればいい、よね」
こちらが一方的に動揺しているだけなのだから。
まあ、簡単にできれば世の中の女の子は苦労しないのだが。
次ナルトに会う時はできるだけいつも通りにしよう、と千夜はまた早くなった鼓動を感じながら思った。