お題
□かき氷
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「ねー、ナルト」
「ん?」
「螺旋丸やって」
「は?」
「何言ってんだ?」と思い禁術書から顔を上げると、にこにことした千夜と目が合った。
「何するんだよ」
「あれ砕いて」
そういって千夜が指差した先には少し大きめの氷がシートの上に置いてあった。
「あれ砕いて何するんだ」という視線を千夜に向ける。
すると意味が分かったのか、一層にっこりと笑って語尾に音符が見えそうな声で一言。
「かき氷作って」
「…………………今、何て言った?」
俺の聞き間違いだろうか、今かき氷を作れと言われた気がするんだが……。
「だから、かき氷作って」
……………聞き間違いじゃなかったか。
千夜の言葉に眩暈を覚え、こめかみを軽く押さえた。
「お前これ禁術だって分かってるか?禁術をなんだと思ってんだよ」
「(螺旋丸は)かき氷を作るもの」
「ふざけんな」
何を今さら、という顔で言う千夜にナルトはそう言い放った。
そんなもののために禁術が使われてたまるか。
千夜の前では禁術を使わないようにしようと固く心に決めたナルトだった。
数時間後、かき氷を食べたいと駄々をこねる千夜に、ナルトは影分身に買いに行かせたかき氷を食べさせた。
言うまでもなく、千夜がどこからか持ってきた氷は跡形もなく溶けていた。