お題
□貴方が見つからない
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「千夜」
「ナルト」
振り向くと暗部の姿でいるナルトが立っていた。
「任務帰り?」
「ああ。千夜もか?」
「うん」
お互い大変だな、と苦笑いしてナルトも隣に座る。
ナルトに憧れて暗部に入って副隊長まできたものの、一向に埋まらない実力の差。
こんなに近くにいても遠くにいるように感じる。
こうして隣にいても、姿を見てなかったらここにはいないという錯覚を覚える。
「……ナルト」
「ん?」
「ナルトはずっとここにいるよね?」
「当たり前だろ。ったく、何言ってんだよ」
ふっ、と笑みを零してポン、と千夜の頭に手を置く。
「そうだよね」
つられて千夜も笑みを浮かべる。
その言葉を聞いても、貴方を遠く感じる。
どれくらい強くなったら私は貴方の隣にいられるの?