チェリー☆小説
□☆なみか☆
1ページ/5ページ
「・・・あれ?」
ここはデパートの中。
(あやね,どこ行ったんだろう?)
「あやねー?」
「なみかー!こっちこっち!」
あやねの声が後ろから聞こえた。
「もー!なみか,いつはぐれちゃったの?」
「あやねったらひどーい!」
彼女は東蘭寺あやね。あたし、美翔なみかの大親友。
今は,2人でお買い物中です☆
「あやね,なんかいい服あった?」
「うん。このワンピかわいくない?」
あやねはそう言って自分の体に当ててみせる。
あやねはこういう服が好きなんだよなぁ・・・。
そして,どんな服でも似合うのがうらやましい!
「買うの?」
「もちろん!買うよ!」
あたしににっこり笑顔を見せる。
「なみかは買わないの?」
「だって,安い服がないんだもん!」
ここはあやねの行きつけのお店。
だけど・・・
「じゃあ,私が買ってあげるよ」
「えっっ!いいって!!」
なみかはとても慌てた。
「いいのいいの!気にしないで!」
あやねは、父が世界で一番有名なホテル“SWEET”の社長、母は高級宝石店社長という、超お金持ちのお嬢様。
だから,行きつけのお店と言っても,ブランド物であふれていたの・・・。
それに,それだからっていっつも買ってくれるんだけど,何を返せばいいのかわからなくって・・・。
「はい!買ってきたよ!」
それにしても行動が早い・・・。
止める間もなく,いかにも高そうなバッグを買ってきてくれた。
「別にいらなかったのに・・・」
「え?他のがいい?」
あやねは,なんで?という顔をして言った。
「そうゆう意味じゃなくって!」
「じゃあ,これでいいのね?」
「・・・」
こんなあやねにいつも振り回されている気がする・・・。
でも,嫌いじゃないんだよね。
「また借りができちゃったね・・・」
「もーそんなこといつまで言ってるの?いーの!でも,私は,そんななみかが好きだから!」
「わかったわ。ありがとう。あやね!」