GB(短編)
□今宵注がれしは・・・
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え?
「クス・・・」
『あ・・赤屍さんっ!?』
後ろに立っていたのは殺しが仕事の殺し屋ではなく殺しが趣味の運び屋だった。
その手には、ビニール傘。
「濡れてしまいますよ?」
お送りしますよ、と白々しく言った。
人に返り血浴びせた人間のセリフだろうか。
『いやいやそんな悪いですよー、どうせこの服もぅダメですし帰ってすぐシャワー浴びる予定でしたから。』
これ以上あなたと一緒にいたくないです。怖いので。
「しかし、風邪をひいたら大変ですよ?返り血で風邪ひいた人はいませんがね。」
・・・そっか。 彼の価値観では精神的ダメージは考慮に入らないのか。