神田を連れ出して。
やすらかに眠る美貌を満足げに見つめ、美味い煙草を吸い、極上のワインを飲む。
最高の贅沢だ。
今頃、コムイは慌てているだろうが、そんな事は毎度の事だ。

「………ん」
「お、姫君のお目覚めか」
煙草を揉み消して、神田の傍らに座る。
ギシリ
ベッドが軋む。
「大丈夫か…ユウ」
長いまつ毛がパサリと持ち上がり漆黒の瞳が開く。
何度見ても綺麗な輝きだと思った。これからしばらくはこの瞳に映るのは己一人だと思うと、嬉しくて単純に幸せだと思える。
「…クロ…ス?」
かすれた声が艶かしい。休む暇も与えずに喉声を出させていたのだから、クロスが悪いのだが。
ミネラルウォーターを口に含み神田に与える。
コクリ
と、動く喉。
全てが愛しくて、黒髪に手を入れて、クシャリと撫で上げる。
「…ここは?」
グルリと見回す。白を基調としたシンプルで広い部屋。
クロスの部屋とは違う、明るさが漂う。
部屋の真ん中にドンと男二人が寝ても余裕なベッドが鎮座して、ベッドの他には小さな冷蔵庫とテーブルとソファー、あとは幾つかのドアがある。本当に何もない、シンプルな部屋だ。
「気に入ったか?今日からお前の部屋だ」
「はあ?」
起き上がり胡散臭げにクロスを見上げる。

ジャラ

「ん…?」
「どうした」
「これ…なんだよ」

上掛けをはぐと、生まれたまんまの姿で、首には太い首輪がはまり首輪から出た鎖はベッドベッドに繋がれていた。

「俺は犬じゃねえ!外せよ」
「あ〜確かに…お前は犬じゃねえなぁ。猫だな」
「犬でも猫でもどっちでもいい!そんな事言ってんじゃねえ」
鎖で繋がれる。犬猫同様の扱いにプライドの高い神田は我慢出来るハズがない。そんな事は承知だが。
「外す?嫌だね。鎖で繋がれたユウ…最高にそそられる」
「……なっ!変態おやじ!」
「変態結構…しかし、上の人間に対して失礼だな。これは…お仕置きしないとな」
ニヤリと笑う。
ワイングラスをテーブルに戻して、ゆっくりと神田に近寄る。
神田は慌てて後退りあっと言う間に追い詰められた。
「昨日…あんだけして、まだ足りねえのかよ」
「全然…足りねえな」
神田の瞳に怯えた光を見付けて。嗜虐心がムクリと顔をもたげる。
細い顎を持ち上げて、瞳を剃らせぬ様に覗き込み
「口開けて、舌出せ…神田」
高圧的に告げる。
命令を聞かずに酷く苛まれた事もある体は、ビクリと畏縮して。反射的に従う。クロスが小さい時からそう躾たのだ。抗える訳が無い。
ソロソロとピンクの舌が差し出された事に気を良くして、優しく口付けを落とす。
段々と激しく唇を奪い唾液を絡め会い、舌を吸う。

散々貪り解放すると、神田はベッドに崩れ落ち荒い息を吐く。

「ユウ…キスで感じたのか?」
「なっ…そんな」
「訳があるみたいだぞ」
ユルリ
と立ち上がり、涙を滲ませるピンクの性器を指で弾く。
「あっう……」
「男は不便な生き物だよな。女なら股を開かなきゃ分からねえけどな」
足を閉じるのを許さずに、神田の白い太股に手を添え、力ずくで限界まで開かせる。
神田は暴れるが、力ではクロスには敵わない。
「神田…どうして欲しい?」
「離せ…よ」
「素直が一番だぞ」
触れるでなく、そっと息を吹き掛ける。
「ひぁん」
些細な刺激にも反応して、張りつめる己の節操のない体が憎い。
「言わなきゃこのままだぞ…舐めて欲しいのか?触って欲しいのか?」
ねっとりとイヤらしく神田を見つめて。坦々と追い込む。
「嫌」
「…嫌?」
コクリと頷く神田にニヤリと笑い。
「じゃあ、ここに早速ぶち込んでも…良いんだな」
昨日散々慣らしたとは言え、綺麗に掻き出し洗った蕾はまた貞淑に閉じている。そこに乾いた太い指を一本突き刺した。
「ひっう…痛っい」
「お前、昨日あれだけやったのに狭すぎ」
暗く笑い。
痛みで涙ぐむ神田の眼球をペロリと舐め上げる。
「さあ…口か手か…それともぶち込むか?簡単な三択だろう?」
答えなければ、クロスは笑いながら神田の乾いたままの蕾に突っ込むだろう。
神田が好き、独占したい。そんな理由だけでやると言った事を翻す男ではない。
乾いた蕾に無理矢理挿入される痛みは壮絶で、言葉では言い表せない。クロスの逆鱗に触れて、何度となくやられたが、痛みに慣れるハズがない。
「…め……て」
「聞こえねえぞ」
「舐めてぇ」
屈辱にブルブル震えながら、囁くように声を絞り出す」
「良い子だ。褒美をやらないとな」
神田の性器を熱い口腔内に含み、ねっとりと愛撫を開始する。

狂乱の時が始まった。




[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ