人間失格〜81番の記録〜

□いちばん
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私を苦しめる人。
私が苦しめる人。
81番まお、境界例人格障害の風俗嬢。
幸せになれるはずが無いのに。
幸せになれる権利が無いのに。

大好きな大好きな憧れの人。
私が一方的に好きなだけだと思っていた。
きっと、ずっとただの片思い。
遠くから眺めていた日々、大切な「商品」。
そんな毎日が終わった。
私が思っていたように、あの人も思ってくれていた?
私は「お店の女の子」から、「彼女」になることが出来た。

ずっと好きだった人と付き合えて、嬉しい。
嬉しい・・・?
だって、私はボーダーで・・・
いつだって大切な人を、傷つけてしまうのに。
甘えが破局を導く。
それでも、大好きを抑えられない。
私はこの人のことも、きっと不幸にしてしまう・・・


ボーイさんとお店の女の子から彼氏と彼女になってから、
私は今までとは比べ物にならないほど仕事を頑張った。
褒められたかったから。
せっかく彼女になれたのだ、恥ずかしくない成績でなければ。
どんなに嫌なお客さんの前でも、いつも愛想良く振舞った。
他の誰にも負けない位サービスをして、営業メールや電話だってまめにした。
そうしていくうちに、どんどん順位は上がっていった。
すぐに結果が出てきたから自分でもビックリした。
出勤日数も週に6日に増やし、前向きに頑張っていた。
もうすぐ辞めるはずだったこのお店で、ちゃんと頑張ろうと思った。

彼に、お店に必要とされたい・・・

そんなことをしているうちに、私はすぐにbQにまで登りつめた。
やれば出来る・・・もっと上に行きたい。
いつの間にか、bPを目指すようになっていた。
大切なことを見失っていることに気がつかず、一番になることばかり考えた。
2番目じゃ意味が無いのだ。
bP・・・彼もきっと、鼻が高い。

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