人間失格〜81番の記録〜

□十七歳の娼婦
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17歳の春、私は昼間は普通のバイトをし、夜は日本橋のホテルヘルスに居た。
勿論身分証は偽造していた。
体を売ることに抵抗はなかった。
SEXは嫌いじゃない、むしろ好きだから。
怖かったのは病気のことや、自分の容姿のことだった。
・・・そんな心配も普通のバイトをしていたらあり得ない金額の給料に一瞬で吹き飛ばされた。
私には何も無い。
でもお金は努力で手に入る。
何よりも、私を絶対に裏切らない。

お金さえあれば、幸せになれる

そう言い聞かせて、LAST(朝の5時)まで働いていた。
髪型や化粧、仕事着・・・
念入りに手入れしていたお気に入りの黒髪を染め、ロリィタファッションに合うパッツンの前髪をやめた。
化粧も濃くし、自分に合うシャドウの色などを研究し始めた。
私は徐々に外見を変えて、完璧に夜にはまって行った。
知ってる気になっていたけれど、何も知らなかった世界。
初めての経験、聞きなれない言葉・・・
沢山沢山知っていった。
きっとここが自分の住むべき世界なんだ。そんな風にさえ思えた。

狂った金銭感覚
狂った貞操観念
堕ちていく
堕ちていく

5月になり、店を変えることを決めた。
求人誌やネットで色んな事を調べた。
お客さん1人に対しての接客時間が短く、比較的ソフトサービスのサロン・セクキャバ。
この2つが候補にあがり、店も2店舗に絞られた。
私は同時にメールを送った。
先に返事が着たお店に面接に行こう、そう決めていた。
この時もう片方のお店からメールが着ていたら・・・

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