SILVER:
□SILVER:Ver.誕
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『SILVER:』番外編になります
設定は同じですが、本編とは分けて考えて下さい
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ゆっくりと時間が流れる昼休み
そんな空間を、打ち破る様に響いたなんとも迷惑な騒音
ドタドタと煩いそれは、職員室の前でぴたりと止んだ
代わりに、勢いよく開けられたドア
息を切らしつつ入って来た銀色に、そこに居たほとんどの職員の視線が集まる
「こら、獄寺
廊下は走るな!!」
構わず歩き出すのを年配の数学教師が咎めたが、無視して横をすり抜けた
キョロキョロと辺りを見回して、お目当ての人物を見つけ駆け寄って行く
バンッと強めにそいつの机を叩くと、漆黒の瞳が煩わしそうに開いた
「獄寺…?」
目の前に居る恋人を見つけると、少し驚いた様に目を見開いて呟く
寝起きの掠れた声に顔を赤らめたが、本来の目的を思い出し、表情を強張らせた
「雲雀、ちょっと来い」
「教師に向かって、そんな口聞かないでよね」
既に目が冴えたのか、イスに深く腰掛け、脚を組んで余裕の笑みで見上げて来る
「う゛っ…
――ひばり先生、ちょっと来て下さい…っ」
慣れてない事をすると頭の中がおかしくなりそうだ
実際、先生を付けて呼ぶなど余り無い
「何、僕と喧嘩するの?」
「なっ…!!
んな訳ねぇだ…っ!!ない、です…」
端から見れば、教師と生徒の会話
獄寺が雲雀には懐いているというのは、周囲が承知の上なので、集まっていた視線もいつの間にか散っていた
「まったく…
君さ、もう少しこっそり入って来れないの」
「うるせぇ…っ」
今日の獄寺は、機嫌が最高に悪い
眉間に皺を寄せて、唇を突き出しふて腐れている
いつもならからかって遊ぶけど、そんな事をすれば今にも泣き出しそうな…、そんな感じだ
「さぁ、行こうか」
ポンと肩を叩いて歩き出す
職員室を出て何処に行こうか考えていると、こっち――…とシャツを引っ張られる
されるがままに付いて行くと、特別教室がある校舎に連れて来られた
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