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此処から先は教師×生徒のパラレル小説です
苦手な方はバックプリーズ






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何と無く過ごした義務教育の9年間





親に入れられた高校
朝登校してから、夕方帰るまでずっと

同じことの繰り返し










飽き飽きする








こんな事無意味なのに



時間も決められ行動も制限されてる俺らは、まるで監獄の中に居るようだ






今から始まる授業だって、新任教師だかなんだか知らないが、そんなもん関係ない





怠いから抜ける
ただそれだけ




ガタンと椅子を鳴らして席を立つ
制服のポケットに手を突っ込んで教室の扉に向かった






扉を乱暴に足で開けると、目の前に人




黒い艶やかな髪
黒曜石みたいに透き通った綺麗な瞳
見上げる高さの身長に少し嫉妬




見慣れないその顔に、いつの間にか見入ってしまっていたようだ
相手の眉間に皺が寄って、初めて気が付いた






「ちょっと
人の顔に何か付いてる?

――早く席着きなよ」




低くて落ち着いた声
薄くて形の良い唇から発せられたそれは、俺の耳に響いた




「ねぇ、聞いてるの
――獄寺隼人」



「っあ…!!え、と…」





名前を呼ばれ今の状況に気付く
クラス中の好奇の視線が、自分達に注がれてる

居心地が良い訳がない








逃げ出すために廊下に出ようとしたその足は、襟首を掴まれた事によって止められた




「ぐぇっ…痛っ――」


「僕の授業さぼろうとするなんて無謀な事、考えるなよ」





そのまま席まで逆戻り
なぜか教科書まで出されて、次の時間が英語だった事に漸く気付いた






俺を席まで連れて来た張本人は、もう既に黒板の前まで行っていた
文句のひとつでも言ってやろうと思ったが、チャイムが鳴ってしまったので渋々諦めた




号令と共に始まる授業
いつもなら此処で寝てしまう俺

だけど、あの教師に少なからず興味のようなものがあったので、名前だけ聞いとこうと思った



(寝ないなんて久しぶりだぜ…)







頬杖をつきながら黒曜石を見つめる
一瞬目が合って、フッと笑われた気がした



「……??」





クルリと背を向けて、黒板に何か書き始める
静かな教室に響くチョークの音







もう一度前を向いたそいつの目は、さっきと違う冷徹一色
その変わり様に皆息を呑む







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