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□恋ゴコロ春風の如し
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Side.G
サクラ舞うこの季節。
今日は十代目の補習に付き添って春休み中の学校に来たのだが、途中で教室を追い出されてしまった。
その理由というのが、補習者の人数が多すぎて席が足りないというもの。
少し不満もあったが、十代目に迷惑を掛ける訳にもいかず教室を出た。
―余ってしまった時間。
このまま家に帰ってしまうのもなんだか勿体ないと思ったので、屋上にやって来た。
給水塔の裏に腰を下ろして空を見上げる。
学校がある時と違って校内に人が少ないので静かだ。
遠巻きに聞こえるサッカー部の練習する声。
そういえば終業式の時に、強豪校と練習試合があるとか言ってたっけ…
そんな事を考えながら、最近ずっと癖になっているため息をつく。
原因なんて、遠の昔にわかってる。
雲雀恭弥――…
俺が今現在片思い中の相手だ。
―恋ゴコロ―
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