□恋ゴコロ春風の如し
1ページ/10ページ


Side.G








サクラ舞うこの季節。



今日は十代目の補習に付き添って春休み中の学校に来たのだが、途中で教室を追い出されてしまった。




その理由というのが、補習者の人数が多すぎて席が足りないというもの。



少し不満もあったが、十代目に迷惑を掛ける訳にもいかず教室を出た。






―余ってしまった時間。

このまま家に帰ってしまうのもなんだか勿体ないと思ったので、屋上にやって来た。







給水塔の裏に腰を下ろして空を見上げる。
学校がある時と違って校内に人が少ないので静かだ。





遠巻きに聞こえるサッカー部の練習する声。

そういえば終業式の時に、強豪校と練習試合があるとか言ってたっけ…



そんな事を考えながら、最近ずっと癖になっているため息をつく。


原因なんて、遠の昔にわかってる。












雲雀恭弥――…




俺が今現在片思い中の相手だ。






―恋ゴコロ―






.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ