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くだらないネタとか、浮かんだ言葉とか。



*
◆みゆきとディーノ 



「ディーノは、日向色の髪が似合うよね。」

歳を重ね大きくなったみゆきの、それでも小さな手が風呂上がりのディーノの髪を指で摘む。

「日向色?」
「うん、日向色。」

そう言ってみゆきはディーノから離れた。

「この色、好きなのか?」
「まぁね。……真っ黒のあたしからしてみれば、大分羨ましいから。」
「俺は好きだけどな、みゆきのこの色。光沢があって艶やかだ」

ディーノは離れていくみゆきの腰を抱き寄せ、ソファーに座る自分の膝の上へと座らせた。
重さをもろに感じさせてしまうそれにみゆきは慌てて逃げるが、ディーノは決して手放そうとせず。結局みゆきはずっとディーノの膝の上で腕の中だ。女の小さなため息にディーノは笑う。

「ちゃんと乾かさないと風邪ひくよ。」
「おう」
「………タオル貸して。」
「ん」

どうせ口だけなのだろうと、ディーノのその細い金髪を絡まないようにタオルで乾かしていく。
んん、とほうけるような鳴き声に、猫のようだと心の中でくすりと笑う。

「眠っちゃ駄目だよ。」
「この髪色がそんなに良いんなら、百万本の黄色の花束より俺一人の献花にするよ」
「……なに、突然。」
「アイシテルってこと。」

触れるだけのキスが唇に。それからすぐにぎゅっと、慈しむように優しく、しかし強く抱きしめられる。

「…、馬鹿じゃないの??」
「んな訳ないだろ、大まじだぜ?」
「……。馬鹿だよ、やっぱ。」

ディーノの肩口に顔を埋めながら、今顔を見られずにすんでよかったと、唇をいつもよりへの字に曲げた。


――――――

もれなく砂糖が吐ける。


2008/12/29(Mon) 10:39

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