通霊王2

□笑え
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「だから悪かったと言ってるではないかこの俺が直々に謝っているんだ。いい加減許せ」


ホロホロが拗ねてから数分経過


「てめぇは反省という言葉をしらねぇのかよ。てか随分と上から目線じゃねぇか!」


「ほぅ…では下から目線とはどういうものだ?」


「だからよ、『俺が悪かった!なんでもするから許してくれ!!!』とかよ。てか俺が謝ってるみてぇじゃん」


「俺はそんな情けないこと死んでも言いたくないな」


「その死んでも言いたくないことを言った俺はどうなんだよ!!!」


今にも俺に掴みかかりそうな勢いで怒鳴ってきた
まったくコイツは気が短いな。カルシウム不足だな


「では聞くがどうやったら貴様は笑うのだ?」


「どうやったらって…」


うーん…と唸り始めた
そんなに悩むことなのだろうか?コイツの頭の中を覗いて見たいものだな


「どうした分からんのか?」


「じ…じゃあさ逆に聞くけど蓮はどうやったら笑うんだ?」


「俺は…」


なるほど聞かれてみれば結構難しいものだな…


「っな!思い浮かばねぇだろ!笑うって言うのは自然な動作なわけだしよ」


「自然な動作…?」


「そう自然の摂理みたいなもんだ!」


それはさすがに違うだろと言いたかったが止めた


「てかなんで笑って欲しいんだよ」


「なんで…?……なんでだ?」


「しるか、聞くな」


よくよく考えると分からんな。俺はただ…


「見たいからだ」


「はぁ?」


「見たいからだ」


「っぶは!あはははは!!!なんだそれ!!!」


俺が真剣に言ったのにコイツは行きなり笑い始めた


「何がおかしい?」


「だってお前そんな真剣な顔して…ギャハハハ!!!」


コイツのツボが分からんな…



とにもかくにもコイツは今笑っている
それにしても下品な笑い方だな…


だがこれが俺の見たかったものだ








end
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