派&灰&野

□誕生日パーティー
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「ふんふんふ〜ん。」
スリッパを履いた足を
軽やかに弾ませ、鼻歌を歌いながら教団の廊下をスキップしている男―もといコムイは
かなり怪しい笑みを浮かべていた。
途中、食堂へ向かう途中のアレンと出くわした。

「コムイさん、おはようございます。」
「ねーアレン君。今日は何の日か知ってるぅ?」
今日…6月6日は
エクソシストである神田ユウの誕生日なのだ。
しかしアレンは神田とは犬猿の仲のためか、誕生日だとは全く知らない。
何の日ですか?と問うた時、アレンは初めて、コムイの顔が不気味な笑みを浮かべていることに気がついた。
「えー知らないの?
今日はパーティーをするんだよ。だから後で来てね♪」
そう言い残すと
コムイは来た時と同じスキップで去っていった。
「パーティー…」
アレンはコムイの機嫌の良さに思わず冷や汗をかく。
先程のコムイの表情。
そしてパーティー。
コムイが上機嫌な時は
大概リナリーか、怪しいことを考えたり実行している時である。
そのことを身に染みて…いや、身に刻み込まれたアレンは益々顔面蒼白状態となった。

確かにエクソシストである自分を黒の教団へ
歓迎してくれたパーティーは素晴らしかったが、パーティーと称して
酒入りシュークリームを食わされたり、
氷で出来た部屋に閉じ込められたり、
揚げ句の果てには
コムイに拘束され
殺されかけたり…
とにかく良い想い出が
ほとんどないのだ。
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