通霊王2
□生日快楽
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「誕生日?……誰の?」
疑問符を頭の上に撒き散らしたホロホロがキョトンとした顔で蓮を見る。すると溜め息が返された。
「貴様はそこまで馬鹿だったのか…馬鹿ホロ」
「誰がばかだ!ばか蓮!!」
ばかの表記も馬鹿っぽいと口に出そうとしたがめんどくさくなりそうなので口をつむった。
「んで?誰の誕生日なんだよ?」
この馬鹿が…蓮は頭の中で呟いた。
「まだ分からんのか?」
「あぁ」
はぁーっと先程より盛大に溜め息をつく蓮。そしつ眉をしかめてホロホロを見る。
「貴様のだ」
「…………」
「…………」
「……っあ」
長い沈黙から出された返事はあまりにも呆気ないものだった。しかし…自分の誕生日をどうやったら忘れることができるのだろうか…やはりコイツは常人では無いのだろうか…?などと頭の中でくだらないことを考えていた。
「え?何?誕生日プレゼントとか用意してくれてんの!?」
自分の誕生日と分かるとすぐ目を輝かせて蓮にプレゼントを求める。
「無い」
しかしホロホロの期待は、たったの二文字によって崩された。
「ひでぇ!!!それなら誕生日思い出さすなよ!なんか貰えるかもとか期待しちまうじゃねぇか!!!」
キャンキャンと吠え始める犬…否ホロホロ。
「じゃあ何か欲しい物があるのか?」
蓮の問いかけにホロホロは黙りこむ。欲しい物…?改めて考えると無い。さてどうしようかココは高値の物を要求するか、それともフキ畑を作る資金を出してもらおうか…それとも…。ホロホロは思考を止めた。変な考えにたどり着き顔を赤くする。
「何を考えた変態が」
思考を読んだのか否か蓮がホロホロを鼻で笑っている。ごもっともですと頭の中で呟き顔を地面に向けた。
「欲しい物は無いのか」
「いやっ…そういうわけじゃなくて…えーと…」
「それ以上使えない頭を使うともっと馬鹿になるぞ」
「うっせぇ!!!」
いらない忠告にホロホロは吠えた。すると蓮の手が自分の方へ延びてきた、何事かと思い体を強張らせる。しかし、何が起きたのかはすぐに理解できた。ホロホロは蓮に抱きしめられていた。
「蓮…?」
「黙れ馬鹿ホロ。…俺はこういう祝い事が得意では無いからな、何をどうすれば良いか全く分からない。だから今回は俺で許せ」
「なんだそれ安上がり」
ケタケタと笑い始めるホロホロ。何がおかしいと眉間を寄せる蓮
「でもまぁ…こういうのも良いかもな」
気持ちよさそうに蓮の胸に顔を埋めるホロホロを見て蓮はフッと鼻で笑い耳元で呟いた
「え?何?なんて言ったんだ?てか何語?」
「貴様には一生分かることのない言葉だ」
「ひでぇ!!」
「気にするな馬鹿」
『生日快楽』
後日ホロホロが潤に意味を聞き出したことは蓮は知らない。
終わり
.。o○○o。..。o○○o。.
うん…なんか色々とすいません(滝汗)
甘過ぎて気持ちがわるry←
蓮は誕生日の1ヶ月前からプレゼントを何にしようか悩んでて、気づいたら本番当日みたいな流れになっているといいw
11/27〜12/10までフリーです(^ω^)