夢夢
□…、そうか
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可愛いと言えば否定して
格好良いと言えば肯定する
好き、ｯと言えば
「…」
反対側のｿﾌｧｰに座る彼の顔は眉間に皺を寄せ、何を言ってるんだｺｲﾂは…ｯとでも言いたげな表情
…うん、その沈黙は流石に堪えるわー
溜め息を吐いて立ち上がり、いつもの椅子ではなくﾄﾛｲに座るﾈｳﾛ
私も立ち上がってﾈｳﾛの前に移動する、…足長いな本当
「人間の感情は面倒臭いでしょ?でもその面倒臭い感情を持つ人間と共存してく事を選んだのは、紛れもなくﾈｳﾛ自身な訳
だったらこんな展開や状況が有る事さえ予測してたでしょ?でもｿﾚに対する対処法を用意して無かった、ｯて事は対処法が無いﾈｳﾛの負け
そして何の返事も貰えない私も負け」
ぁ、負けｯて言葉に反応した
負けず嫌いなのは分かってるけど今回は負け同士、引き分けｯて事で良いじゃん
「…予測してはいたが我輩は貴様等人間等の感情は持ち合わせていない、持ち合わせていない感情に対する答えや対処法なんて分かる筈が無かろう
そもそも人間が魔人に恋い焦がれるなんて話聞いた事が無いぞ、愛に人種等関係無いｯとはよく聞くが人間と比べると我輩は神の如く存在
言わば貴様は神に恋い焦がれる信仰者と言った所か」
すんっごい残酷だねﾈｳﾛさん、私の気持ち自体を完全否定だなんて
でもｿﾚは対処法を出せなかった自分に対する苛立ちから来る言葉、…だったり?
「私がﾈｳﾛを崇拝する訳無いじゃん、愛しはするけど」
「愛等…我輩が生きていく上で何の役にも立たん、傍迷惑だ」
「ﾜｵ、傍迷惑なんて言われたの初めてだよ私」
真面目にﾊｰﾄﾌﾞﾚｲｸ、女の子は硝子の心なのよ
もっと優しく扱いなさい
「大体貴様程の器量の持ち主ならば男なんて選び放題であろう、何故我輩なのだ?」
「選んだ先がﾈｳﾛだった、ｯてだけじゃん
そもそも愛に理由を求めても現代科学や心理学では漠然とした答えだけで細かくは解明出来て無い訳、ｿﾚが解明出来るなら宇宙の果てや深海の全てが解明出来るんじゃない?
知らんけどね」
「宇宙の果てや深海の全て位、魔界では何千年も前に解明されている」
「まじでか」
ｯてあれ、何か話変わってね?
逃げんなよﾈｳﾛ
「逆に聞くけど、何で知らないﾓﾉを追い求めず諦める訳?」
「先程も言った筈だ、我輩には生きていく上で何の役にも立たんと」
「ｿﾚが究極の謎だとしたら、貴方の答えは?」
「…」
私の言葉に脚を組み直し考え込む、…どんだけ究極の謎とやらが恋しいんですか貴方は
ちょっと妬いちゃうじゃん
「現代科学や心理学ですら万人が納得出来る明確な答えは出て無い感情で、尚且つ魔界でも解明出来ていない感情
ﾈｳﾛにとっちゃ蜜の味に成るかもね、まぁ…
今迄通り理解しようとしないなら私は次の恋愛をするだけだけど、…とｯ云う訳で新たな恋愛の種を探しに行って来ます
ぁ、でもちゃんと今迄通り事務所に来るか…」
ら安心してーｯと続け様とした私の言葉は腕を掴んだﾈｳﾛに、扉に向かう足と共に遮られ…私の口元が小さく弧を描いた
「人間の感情等は理解出来ぬ…理解出来ぬから先ずは貴様への想いに、何と返事をすれば良いか教えろ」
頼みｯて云うか命令だよねｺﾚ、まぁﾈｳﾛだし仕方無いか
「好きか嫌いか答えれば良いだけなんやがﾈｳﾛにはもう1つ、選択肢をあげる」
言われたら一番辛い返事だけど、ｯと続けて言ってやると眉を顰めた
鬼畜ﾄﾞSの癖に何私の心配してんだお前…、でもﾚｱいから良いか
「好きか嫌いか、有難う」
掴まれた手首に一瞬更に圧力が加わった、…痛い
何怒ってんのさ…、ﾈｳﾛにとっちゃ一番穏便に済む言葉でしょ
ｿﾚを言ったとしても私が傷付くだけだから、寧ろ感謝して欲しい位だよ
「取り敢えず手首放して、痛いから」
無言の儘放された手首を見ると…うぇ、気持ち悪い…
何で内出血成ってんの、どんだけ力加えたのﾈｳﾛさん
…血、は抜きに行かなくても良いか
「…すまん」
「ぇ…ぁ、良いよ別に」
そんなに痛く無いし、跡も残んないだろーし
まぁ残って呉れた方が良いけどね、ﾈｳﾛを縛るﾈﾀに成る
…私こんな性格悪かったっけ?
「だが…貴様も一応女なのだ、我輩とて謝りはする」
「一応は余計だよ…ぁ、じゃぁお詫びに愛を理解して
相手は私じゃなくても良いから…、ｯて欲を言えば私が良いけどね」
「…、考えておく」
そう言ってﾈｳﾛはいつもの椅子に座り、難しい表情で腕を組む
「ﾈｳﾛｯて可愛いよね」
「だからどこがだ」
「じゃぁ格好良い」
「…、当たり前であろう」
「ﾈｳﾛ、好きだよ」
「…―
可愛いと言えば否定して
格好良いと言えば肯定する
好き、ｯと言えば
…、そうか
(本当愛に興味無いんだね)(あぁ)(なら私に興味持って?)(…、努力する)
後書き(ﾈｳﾛ出演)→