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□TIME LIMIT
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優しくされる程、現実を突き付けられているようで怖かった。

造られた笑顔の仮面で、どんな言葉を聞かされても安心何て出来なくて
僕から『何か』を奪っていくような気がしたんだ。

神様なんて信じてはいなかったし、奇跡何て物はもっと嫌いだ


唯、もう少しだけ時間が欲しいだけなのに、
瞼は、ぼくの心と反比例するかのように重たく成っていく



まだ、此処に居たいのに、
「幸福」を感じていたいのに、
君の笑顔の横側に居たいだけなのに、




「何時まで、泣いているんだい、、、?」


泣き止んでくれない理由くらい分かっているつもりなんだ
段々と、自分の手が冷たく成っていく
逸れでも、何故か温もりを感じるのは、
繋がれた君の手から熱を奪っていくせい


声も上げずに、頬から雫が流れるだけの君の姿は
何処か凛としていて、思わず「綺麗だね」と言いそうになった


「(そう言うと君は怒るのだろうけれど、、、ね、、、。)」



この空間が何処か、他人事のような気がした

手の施しようが無いと諦めた医師と看護師は、病室を後にした、
その意味を悟ったのか、母は半分パニックに成りながら父と共に出て行った
唯一冷静に、ずっと側に居てくれる君、
二人だけの個室は、時計の針の音がやけに大きく聞こえた




まるで、





時間に駆り立てられているようだった


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