短篇小説『蒼白』
□最高級Soleilの笑顔
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最高級Soleilの笑顔
今日の天気は晴れ・・・
うむ・・・外出するには十分すぎるほど太陽が照っているな
俺は待ち合わせ場所の駅前に向かう
「・・・・・」
今の季節は旧暦で言うと夏だが・・・一般的には春と呼ばれる季節のはずだ・・・
だが太陽はそんなの関係無いとでも言いたそうにカンカンと光っている・・・
俺が待ち合わせ場所に行くとすでにかがみと峰岸さんが待っていた
「おーす 時間ピッタリね、れい」
「おはよう小手川君」
かがみと峰岸さんは日陰のあるベンチに座っていた
「おはよう・・・日下部さんは?」
俺は周りを見渡して見るが・・・日下部さんは見当たらない・・・
「あいつはいっつも遅れてくるのよ・・・」
「ごめんね・・・もう少しで来ると思うんだけど」
峰岸さんは携帯電話のディスプレイを見ながらキョロキョロしている
〜10分後〜
「悪りい、悪りい 寝坊しちゃってさ〜」
日下部さんの姿が駅の中から出てきたのは峰岸さんが十回以上キョロキョロしてからの事だった
「あんたがれいを誘ったんだから遅れるんじゃ無いわよ!」
かがみは日下部さんを見て呆れたように溜息を吐く
「ヴぅ〜あやの〜柊がイヂメル〜」
日下部さんは峰岸さんに助けを求めるが、峰岸さんは笑顔を崩さず日下部さんを宥めていた
今日、俺が日下部さん達と待ち合わせをしていたのは、今週の初め・・・日下部さんに誘われた遊園地に行くためである
お礼・・・と言われ俺は来たが・・・
ただ学校まで運んであげただけなのに入場券等貰ってもいいのだろうか・・・
「ん?いいんだよ!三人で行くより四人の方が楽しいからな!」
日下部さんは遊園地の入口で言う
俺達は来る前に入場券を購入していた為、比較的スムーズに入園する事ができた
・・・しかしここは・・・不思議な物が多いな・・・
日下部さん達は
「最初何乗るー?」
とはしゃいでいるが・・・俺は初めて来る遊園地に興味が湧いていた
何故こんなに沢山の人が・・・?
俺はてっきり遊園地というのは建物内の物が多いと思っていたのだが・・・
謎の巨大建造物に大勢の人が並んでいる・・・
「お〜い小手川〜早く行こうゼ!」
そう言われて視線を落とすと日下部さん達は少し向こうで俺を手招いている
「・・・ああ」
俺は少し駆け足で彼女達のもとに向かった