長編小説第一集『蒼白』
□第九章 桜藤祭 前夜祭
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第九章 桜藤祭 前夜祭
夏休みが終わってすでに数週間・・・
テストも近づいてきたからか、こなたは夏休みと同じように俺の家に入り浸っている・・・
・・・まったく・・・
「文化祭があるんだよね〜」
こなたが登校中の電車で言う
「・・・年間の予定表によると十一月の・・・」
「あ〜・・・分かってるよ・・・れい」
そう言ってこなたは俺の口を塞ぐ
「何でれいの頭には、年間の予定表が入ってるのかね〜?」
・・・・・
「でね テストも近いし二学期はやる事多くて面倒だね〜・・・ってこないだかがみん達と話してたんだけどさ〜・・・」
俺は適当に聞き流すように聞いていたが、こなたの口からとんでも無い言葉が流れた
「昨日ゆ〜ちゃん達がオープニングセレモニーでチアやるって言うからさ〜 私も参加する事になったんだ〜」
「・・・チア?」
「チアダンスだよ アメリカとかだと人気な物なんだけどね〜 れい見た事無い?」
「・・・ああ・・・あれか・・・」
確かアメフトの試合を爺と見に行った時にその単語を聞いた気がする・・・
「ゆ〜ちゃんもすっごい張り切っててさ〜 こりゃ協力せざるを得ないって感じで・・・」
「・・・待て・・・お前がチアダンスをやる事は理解したが・・・お前は演劇をやり、占いの館をやり、更にチアダンスもやると言うのか?」
そうだ・・・こなたは今回クラスの出し物、占いの館と演劇に出る事が既に決まっているはずだ
さらにチアダンスをやるなど・・・
「不可能じゃ無いか?」
そう思う・・・
「う〜ん確かにね〜 かな〜りきついよね〜・・・」
「・・・・・」
こなたはそう言ってため息をつく
「・・・あ!」
突然こなたが顔を上げ言う
「何だ?」
「そういえばれいは何やるの?」
「・・・・・」
「出し物に何か出るの?」
そう言ってニヤニヤしている・・・残念だが俺は出し物は出んよ
「・・・いや・・・俺は占いの館だけだ・・・」
「ふ〜ん・・・そうなんだ」
そう言ってこなたは電車から降りる
・・・だいぶ寒くなってきたな・・・
俺は電車から降りてこなたの長々と続く会話からかがみ達の相手を始めたお陰で、教室までの短い間、解放された
〜数日後〜
「まったくもう・・・学校行事の多い時位テストの数減らしてくれてもいいのに・・・」
俺の横でみゆきさんとこなたが話している
相も変わらずこなたは一夜漬けでこのテストに臨んだらしい
「おーっす ねえこなた?チアってどうなってるのよ?」
「そういえば・・・」
かがみ・・・聞いた話によると、かがみやみゆきさんもチアダンスをやるらしいな
「テスト前に企画ガ通リマシターッとは聞いたけど・・・」
・・・こなた達は話をしていて心配になったのか一年生の所に向かったようだ・・・