長編小説第一集『蒼白』


□第六章 弱点
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第六章 弱点

不思議な事が起こった後は平穏がやって来るものだ・・・

・・・普段なら・・・











かがみ達のババ抜き合戦から一日・・・この旅行もあと半分か

「おはようございます れいさん」

「おはよう・・・みゆきさん」

俺がリビングに行くとすでにみゆきさん達は起きていて宿題に取りかかっていた

「おはようございます 先輩」

「おはようございます・・・」

小早川さんと岩崎さんもすでに宿題を始めていた

「おはよう・・・君達は起きるのがやっぱり早いね・・・」

「アハハ・・・先輩それ昨日も言ってましたよ?」

「・・・だよね・・・」

俺は水を飲むためキッチンに向かった

「・・・・・」

こなたがキッチンの床で這いつくばっていた

「・・・何やってるんだ?」

俺は水の入ったコップを手にしながらこなたに聞いた

「れい・・・気を付けてね・・・」

「・・・?何だ」

「さっき牛肉落したんだけど・・・その時ネズミがだね・・・ゴソゴソっと」

「・・・なら這いつくばっていたら危険じゃ無いのか?」

「捕獲して焼いて、上手に焼けましたー・・・って言わないと」

「・・・?」

こなたのボケが余り理解できなかったが俺はリビングへと向かった



「あ、先輩 ちょっといいですか?」

小早川さんがキッチンから帰って来た俺に聞く

「何だ?」

「来る前に先輩が近くに川があるって言っていたのでみんな水着を持って来たんですよ ・・・で今日午後からみんなで行ってみようかなって思って・・・どの辺にあるんですか?」

・・・ああ・・・確かそんな事も言ったな・・・

「川なら・・・ここから五分も歩けば着く・・・」

「じゃあ今日の午後から行きませんか?」

小早川さんが俺に聞いてくる

・・・・・うむ・・・まあいいか・・・・・

「別にいいが・・・」

俺は迷ったが快諾した

その後すぐこなた作の朝食が出来上がり・・・午前中の宿題を終わらせ・・・出発の時間となった




「れい〜そろそろ行くよ」

昨日と同じように外のベンチに座っていた俺は後ろから呼ぶこなたの声で振り返った

「ああ・・・何でだ・・・」

振り返るとこなたはすでにスクール水着に上着を着ているだけの格好であった

「だって更衣室何か無いんでしょ?」

「・・・確かにそうだな・・・」

俺は納得したような顔をして皆の待っている所へと向かった





〜川〜

「綺麗な川ね〜」

「魚が泳いでるっス」

「最近はこんな綺麗な川も珍しいな〜」

かがみ達は川を見て綺麗だ綺麗だと川に驚いている

・・・そんな事にいちいち反応していては疲れるだけじゃないか?

「お〜いかが〜みん!早くおいでよ〜!」

こなたはすでに川に飛び込んでボールにつかまって浮かんでいた

こなたの着ているスクール水着の胸の所には6−3と書かれている

・・・いつのだ

「あっ!ずるいわよこなた先に入るなんて!」

「お姉ちゃん!待って〜」

かがみとつかさがこなたを追いかけ川に入って行く

かがみは白いビキニの水着を着ていた

何故白なのか・・・そんな事どうでもいいが・・・

みゆきさんは川に入ってこなた達を微笑みながら見ていた

・・・親かお前は・・・

「みなみちゃん 私達も遊ぼう?」

「う、うん・・・///」

小早川さん達も水着に着替えて川に入って行った

みなみさんは少し恥ずかしそうにしている

「ミナミ!恥ずかしがる事無いネ!」

「べ、別に・・・恥ずかしいわけじゃ・・・」

「フフフ・・・その恥じらい・・・ネタになるっス!」

田村さん達は川の水をかけ合って遊んでいた

・・・黒井先生達はまたビールを飲んでいる・・・この旅行で何本ビールを飲む気なのだろうか・・・

俺はパラソルを立ててそこで本を読む事にした

・・・楽しそうにしているな・・・あいつら・・・




三十分位経っただろうか

こなた達は全員でビニールボールで遊んでいた

「・・・・・」

本も読み終わり持って来たわらび餅を食べていた時の事だ

「お〜いれいも来なよ!」

こなたが俺を呼びに上がってきた

「・・・いや俺は・・・」

「冷たくって気持ちいいヨ」

パティが俺のわらび餅を一つ摘み食べる

「・・・俺は別にいい・・・」

「そう言わずにさ〜」

こなたとパティが俺の体を持ち上げ(いつの間にか田村さんまでいるし・・・)川へと運ぶ

「ちょっ・・・俺は別に入らなくても・・・」

「いいからいいから!・・・せーの!」

そう言ってこなた達は俺の体を川に向かって・・・投げた

「うおわっ!」

俺は水の中に投げられた・・・
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