長編小説第一集『蒼白』


□第五章 脱出
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第五章 脱出

「・・・あれ?」

そこは見知らぬ神社の境内だった

「・・・また移動したのか?」

「ここ・・・かがみの家の神社だよ」

「かがみの?」

「あれ?れい?!」

後ろから声がする・・・振り返ると

「れいとこなただ〜よかった〜」

「私達だけ変な所に来ちゃったのかと思ったよ〜」

かがみとつかさが走り寄ってくる

「かがみんとつかさ!よかった!会えた!」

こなた達は二分ぶりの再会を喜び合っている

「・・・おまえら静かにしろ・・・」

「え?」

家の中から誰かが出てきた



「おかしいな〜?今絶対聞こえた気がしたのに?」

かがみだ・・・ってなんか変だ・・・

何が変なんだ・・・

「あ、私!?」

「ちょ、かがみ!声大きいって・・・」

「見つかったらどうするの?」

「でも自分が出てきたら誰でも驚く・・・」

「静かに・・・」

しんと静まり返る場

違和感のあるかがみはぽつりと言う

「・・・気のせいかな・・・」

そのまま彼女は境内の掃除を始めてしまった

「・・・大丈夫みたいだな」

俺達は木の陰に隠れていた

「でも何で私が・・・それに何かあの私変じゃ無い・・・?」

そうだ・・・あのかがみはどこか違和感がある

目の前にいるかがみと掃除を続けているかがみを見比べてみる

「・・・あ」

「何?」

「髪の長さとか?」

今のかがみは肩のあたりでツインテールにしているが、向こうのかがみは背中まで届いている

「それに少し背が高い気がするの」

つかさが照れながら言う(何故照れる・・・?)

確かに背も高く、胸も・・・これは言うのはやめとくか・・・

「・・・分かった・・・アイツは未来のかがみだ・・・」

・・・・・

「未来って・・・」

「むう〜アニメだとよくあるシチュだけど・・・」

「爺は様々な時間と場所を旅したと言っていた・・・爺の言ったことが本当なら・・・俺達は今色々な空間を旅しているんだ・・・」
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