長編小説第一集『蒼白』
□第三章 変化
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第三章 変化
「れい!この家全自動卵割り機無いの?」
「無い・・・」
「れい!この家カレー粉無いの?」
「・・・カレー粉なら棚の上に・・・」
「ほ〜いサンキュッ」
こなたと俺は夕飯にするカレーを作っている
・・・カレールーがあるのに何故一から作る必要があるのだろうか?
・・・普段から料理をしているこなたのこだわりなのか・・・
〜数十分後〜
「れい!出来たよ!」
リビングで「最後の仕上げがある」とか言われてリビングで待たされていた俺はそう聞いてキッチンへ向かう・・・少し遅い夕食だ
「旨そうだな・・・」
確かにとても美味しそうだった
香りもよくて食欲をそそる物だな・・・
「最後の仕上げというのは何を入れたんだ?」
「禁則事項です・・・」
即答・・・
「ウッ〜ウッ〜ウマウマ(°∀°)」
「確かに旨いな・・・」
「でしょでしょ〜私こう見えても料理得意なのさ〜」
こなたの作ったチキンカレーは今まで食べたどんなカレーよりも美味しかった・・・ルーを使わずに作る程のこだわりだからな・・・
「しばらくカレーなど食べていなかったな・・・」
「そういえばれいって家族とかは?いつも一人なの?」
「・・・・・両親は俺が幼い頃に死んだ・・・京都の祖父の所にいたが亡くなったからこちらに引っ越してきたんだ・・・」
「そ・・・そっか・・・」
「・・・」
「・・・・・まあ私も・・・お母さんいないんだけどね・・・」
「・・・?何故だ?」
「私が小さい時に死んじゃったんだよね・・・」
・・・・・リビングに気まずい沈黙が流れる
閃考・・・・・だから父親はこなたをあんなに・・・
「ま、まあそんな話はやめやめ!さ、どんどん食べて!」
「・・・そうだな・・・」
こなた・・・お前は強い奴だな・・・
俺はいまだに両親を思い出すと過ぎた事を思い返してしまう・・・
俺もこなたのように強くありたいものだ・・・