読み物
□市丸家C〜冷戦〜
1ページ/3ページ
本日も晴天なり。
瀞霊廷は今日も穏やか。
目線を外に向けると、縁側でギンが猫のように丸くなって日向ぼっこをしている。
思わず笑みがこぼれる。
――さ、洗濯物片付けなきゃ。
…バタバタバタッ
突然廊下を走る音が響く。
――ふふ、ギン太ね…。
「ただいま〜!!ママ見てや〜、僕はなまる〜。」
「お帰り。いいことあったみたいね〜、ママにも見せて。」
「ええよ。先生3回もぐるぐるしてんでvV」
確かに答案用紙には三重丸のはなまるがついている。
「鬼道の詠唱10コ暗記するテストや。僕満点!!」
「すごいじゃない。よくできましたー。今日はごちそうにしようかな。」
ギュッと抱き寄せて頭をなでると照れ笑いが聞こえる。
「シシ…すき焼きなvV」
「はいはい。」
子どもの嬉しそうな顔を見ながら、夕飯の買い出しのことを考え、洗濯物をたたむ手を早める。
「学校では他に何があったの?」
「ん〜自己紹介。パパとママのことも紹介したで。」
「どないなこと言うたん?」
いつの間にかギンが楽しそうにこちらを見ていた。