読み物
□市丸家B〜入学式〜
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「はよし〜、もー始まってまう〜。親が瞬歩つこて駆けつけてたら恥じやで。」
「わぁかってるわよ。はい支度終わり!!忘れ物ないわね!?」
「…なんも持ってかんでもええやん…急ぐで。」
今日は我が息子が死神統学院に入学する日。髪を上げ、胸元はぴったり合わせる。
かつては自分も通っていた学校。ギンとの思い出も少なからずある。
――――――……
―――――…
「…ひゃーこら懐かしいわぁ。」
「ほんとね〜…ギン太はどこかしら?」
遅れて来たため一番後ろで息子の晴れ姿を見ることになったが、ここからでも見えなくはない。
「一番前におるよ。なんや、緊張しとるなあ。表情固いで〜。」
白と水色の制服を着た金髪で狐顔の我が息子は目立っていて、顔を見ると確かに緊張ぎみだ。
「ックスクス…」
「あ、息子の固まった顔見てママが笑てたて言うてまうよ?」
「違うわよ。あの子の顔がほんっとに昔のギンに似てるから。」
「そらそうや。女の子生まれたらきっと乱菊にそっくりや。」